三江線・石見川本駅 【島根・広島ローカル線の旅 その9】

尾関山駅から乗った列車は
終点の江津駅まで行かず
途中の石見川本駅止まり
厳密に言うと
石見川本駅で一旦乗客全員を降ろし
1時間27分も停車したのちに
江津方面へ向かって
再び走り始めるのだ

石見川本駅に到着すると
ドドンとお腹に響く音が
聞こえてきた

ホームで和太鼓の演奏による
お出迎えをしていたのだ

てっきり地元の方かと思ったら
異国のイケメン&美女達もいたので
さらに驚いた
川本町と交流を続けている
デンマークの和太鼓グループだそうだ
駅前では地元の方が
駅周辺の地図を配って観光案内したり
無料休憩所を設けていたりと
乗客をもてなしていた
私が乗ってきたのは
観光列車とかじゃなくて
普通の鈍行列車だ
しかも18きっぷ期間とはいえ平日に
この歓迎ぶりはすごいなと
感心した

三江線のキャラ・石見みえちゃん

かわいい

島根のゆるキャラ・しまねっこ


すごく味がある字で書かれた駅名

駅に売りに来ていたサンドウィッチと
名産のえごまを使ったワッフルを買ってから
周辺の散策にでた
駅前に
メーテルになれる美容院があったぞ!

近くの踏切から
駅を撮る

踏切注意の道路標識は
色あせている

踏切の目の前にある民家は
廃墟になっていた

三江線沿線では
石州瓦が美しい家々を見ることができたが
こうした廃屋も少なくなかった
江平駅ちかくにある廃墟なんて
頼りないつっかえ棒に支えられていて
いまにも線路のほうへ
崩れ落ちてきそうで怖かったぞ


どうか三江線の廃止日まで
持ちこたえてほしい
江の川沿いの築堤から
駅を眺める

山の白くなっているところは
桜が咲いているようだ


坂の上には
町の鄙びた雰囲気には不釣り合いな
しゃれた箱物が建っていた

江の川

駅へ戻ると
乗車を待つ観光客の行列ができていた
さっきのご年配の集団も
ほぼ全員この列車に乗るみたいなので
私は座るのを再び諦めた
発車前に
川本町の町長が列車に乗り込んで
観光客へお礼の挨拶を述べた

町長へあたたかい拍手がおくられるなか
乗り合わせたひとりの男性が
「なんで三江線の廃止に反対しなかったんですか」と反発して
場の空気が凍った
町長は申し訳なさそうに
反対したんですよと言って
去っていった
町長達に見送られて
列車が動きだしてからも
男性は観光客に
町長の批判を繰り返し話していた
三江線をよく利用しており
住民説明会にも参加し
存続を訴えていた人らしい
廃線は非常に気の毒だが
自治体への悪意をむきだしにして
延々と大声で話す姿に
辟易してしまった
おもてなしなんてしらじらしいと怒っていたが
町長が本当に三江線をどうでもいいと思ってる人なら
すでに廃止が決定しているのに
あんなふうに乗客を歓迎なんてしないと思う
近くに座っていた
話し上手なおばさま達が
やさしく男性をなだめてくれたおかげで
徐々に男性もヒートダウン
しだいになごやかに世間話を始めて
車内は平和なムードを取り戻した

スポンサーサイト